中島祥文「考えるデザイン」 展トークショー
9/19 多摩美術大学美術館
し:中島祥文
か:葛西薫
ひ:中島英樹
さ:澤田康廣
さ
・今日は進行に徹する
・まず祥文先生との最初のコンタクトに関して葛西さんに
か
・サンアドに入ってすぐの頃にウールの仕事を拝見した
・西村さんのサントリーホワイトの大人っぽい広告に憧れてサンアドに入った
・サンアドに入ってすぐに西村さんはやめてしまった
・そのあとウールマークの仕事が始まった
・そのあと中島さんに作品を見てもらう機会があった
・そこでタイポグラフィーの話をした
・あなたは文章を読みますか?どこで文を区切りますか?ということを聞かれた
・そのあとADCで関係が急接近した
さ
・英樹さんの最初のコンタクトは?
ひ
・自分は遅れた世代だったので祥文さんの仕事はあふれていた
・音楽が好きでレコードを見るように祥文さんの仕事を見続けた
・祥文さんの「ウールの15分間入浴法。」というコピーの文字組を模写してみた
・まず「。」の大きさが違う
(模写した文字組と本物の文字組を重ねてズレを表した画像)
・こんなにもちがう
・A1と言う書体は扱いずらい
・A1はベースラインがなってない
・A1は仮想ボディの中で文字が暴れている
・祥文さんはそれを整理して組んでいる
さ
・祥文先生どうですか
し
・そういう人がいた事に驚き
か
・この文字組を初めて見た時9文字だと思った
・カタカナが小柄というところに秘密がある
ひ
・「の」は下がっちゃうんだけどちゃんと上げてる
し
・最初は二行で組んでた
・シンボル化することをよりすすめて三行にした
・正方形を作ってる
・数字を大きくしてる
・三行に組めた瞬間がとてもうれしかった
・この文字組だけでで三日とか四日かかってます
(バスルームにスーツの上着がかかってるウールマークの広告)
・森山大道が好きだった
・西村さんと組んだ初めての仕事
・ウールは吸水性に長けている事をあらわすコピーが入ってる
か
・この本(考えるデザイン)を拝見して中島さんの中に森山大道的なものがあったんだという事に気づいた
ひ
(雪原の写真を使ったウールマークの広告)
・網点を垂直水平(90度)にしているので雪の堅さや鋭さを表しているのかなぁと思った
し
・網点は普通は45度で使う
か
・垂直水平で網点をかけると独特な見え方をする
し
・みんなもスクリーンを勉強して自由に使えた方が良い
か
・この本ではデザインのテクニックが語られていないのでこういうテクニックの話はおもしろい
し
・本では本質を導き出すための方法論を解説しているのでデザインのテクニックは載せていない
・でも両方大事
か
・ゴルチェの広告を祥文さんの仕事だと知らずに見ていていいなぁと思った
・対照的な仕事っぷりがおもしろい
・信じられないない書体を使ってたり(笑
し
(考えるデザインのウールマークのコピーだけが載っているページ)
・「ウールは、愛着にこたえてくれます。」のコピーは誰も読まない
・このページはそこまできちんと文字組をする事が必要だということを言いたい
か
・ソニーの「考えて良い事があったらやってしまえ」というシリーズの広告はウールマークを真似して作った
し
(ゴルチェの広告のラフスケッチ)
・写真を撮る時はかならずこうやってラフを描く
・当時撮られていた写真の70%はカンプライターに頼んでたような時代
・私は手書きで描いてた
か
・CMのカットを考える時も絵を描く事で具体的なイメージがふくらむのでいい
・絵が下手でもいい
・ラフとはいえ、これは絵としてもいい
さ
・デザインからアートディレクション、クリエイティブディレクションに関するお話はありますか
・ようするにデザインとアートディレクションのちがいですね
し
・ベースはデザイン
・全体を包括しているのがアートディレクション
・あとは人の関係というものが介在するがアートディレクションはそういうものも考えていかなければいけない
さ
・サントリーを辞めて最初に仕事を頂いたのが祥文さん
・一度も提案した事にたいしてNOと言われたことはなかった
・仕事をする気分にさせるのがうまい
・葛西さんは今組織の中にいますがどうですか
か
・もともと自分は代理店の人の言ってる事が7割わからなかった
・プレゼンテーションの時に専門用語を使わないでやってみた
・そうすると喋りやすくなって聞く人もよく聞いてくれるようになった
・アートディレクションはアートをわかりやすくする事だと思う
さ
・英樹さんも遠い国の事は分からないけど半径3メートルのことには意見ができるということを書いてらっしゃいましたが
ひ
・新聞や雑誌のアンケートの不特定多数という言葉が出てくるが不特定多数というものは存在しなくて単なる概念
・祥文さんも不特定多数を信じていないと思う
・疑いながらも人を信じたいと思っていて傍からはそれをヒューマニズムと言われてしまう
・とかそういうことをメモってきたんですが老眼でまったく見えないです
・自分で書いたものが見えないっていう
さ
・祥文さんどうですか?
し
・深層心理をえぐられるような話
か
・祥文さんはある人が間違っていてもそれを否定せず冷静に見てらっしゃるところがある
・一方で祥文さんの中にはおっきな矢印があって気がついたら全体がそちらに向かってるという状況がある
し
これまた深層心理をえぐられるような話ですね
か
・多数決というものに従っているとそれに反対した人たちの意見を見失う事がある
・広告というのはこの多数に引きずられている
し
・ある賞で最高賞を受賞したものがあってそれに対してそれどうなの?と問題提起したら葛西さんがすごく同意してくれた
・中島英樹がいかにすごいかっていう話をしてたら井上つぐやに抱きつかれてチューされた事もあった
か
・中島英樹さんはもどかしい事があったときに中島英樹流の言葉で返してくれます
さ
・祥文さんはまず仮説を立ろという話をよくされますがそのあたりの話はありますか?
し
・澤田さんの仕事に関しても澤田さんを起用すると決めるまでにすごく熟考した
・それは心中するつもりでお願いしている
・だから澤田さんの意見にはNOと言えない
さ
・英樹さんなんかないですか
・もうちょっと喋ってほしい
ひ
・あるコンセプチュアルアート、たしか分からないものを分からないものとして受け取るというトレーニングという内容のものを見て納得した
・アメリカ的には分からないものは排除するという風潮
・それに対するアンチテーゼ
か
・外国人の女の子たちがわけも分からず日本の歌を歌うという展覧会だった
・中島さんの小林旭の歌を口パクで外国人が口パクで登場するMAXIMのCMを思い出します
・当時あのCMが流れるとかならず画面を振り返ってしまった
(MAXIMのCM流れる)
・触ってごらんウールだよのCMも好き
(触ってごらんのCM流れる)
・このCMは画面の外をすごく感じる
・すごく押さえ込まれている
・視聴者がイマジネーションをもって参加できる余地がある
・表現しすぎていないことがすごく表現をしている
し
・バックグラウンドの話
・あの登場人物の人たちは写真で選考した
・はじめのおじさんは社会学者の方で2人目の方は建築家、3人目がアーティスト
・喋らせる事で情景が生まれる
か
・何をしゃべってるんですか?
し
・自分の好きな事喋ってる
・アーティストの方は事故でぺしゃんこになった猫を真っ赤に塗って飾ってた
・オーディションをすると失礼な人も集まってきたりするので写真資料で選んだ
・ウールマークで音楽を使わなかったことは挑戦だった
か
・視線で語るということですね
し
・英樹さんに写真に関して質問
ひ
・ゼラチンシルバーセッションという運動とデジタル写真について
・ゼラチンシルバーセッションの人たちの本音は俺はデジタルわかんねーんだよというものがある
・なんでそんな事を言うんだろうと思う
・振り返るとこれまでも技術の進歩というもとがあってデジタルに対しても同じでなんでそこで拒絶反応を起こすのか
・気持ちは分かる
・この問いを森山さんにも投げかけた
・最近森山さんはデジタルを始めようとしてる
・なぜデジタルなんですかと聞いたらまだ巻くほうが早いんだけどデジカメの方が早くできるようになったらすぐに移るよと言っていた
・論点がデジタル、アナログじゃない
・それと森山さんにとって「撮る」ってどういう感覚なんですかと聞いたら被写体と自分の中間を撮るって感じです、とおっしゃってた
し
・葛西さん若い人たちに向けて何かありますか?
か
・僕はデザイナーになりたかったんですがアカデミックな教育は受けていない
・ずーっと学んでないという不安がある
・今思えばそれはよかった
・大学にいるというのはほんの世界の一端でそとにも参考になる事はいっぱいある
・勉強じゃないことでも勉強になると思う