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Sep 10
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新村則人特別講義

2009年9月10日
多摩美術大学

http://www.shinmura-d.co.jp/

大阪デザインナー学院を卒業
自主制作したものを見せてクライアントワークに結びつくことが多い
自分は未だデザインに自信がないが作るのは好き
そういう人はいずれ伸びるから心配するな

24才

松永真に憧れて東京に上京
大阪時代に松永真の仕事に対する姿勢を雑誌のインタビューで見て惚れた
松永曰く、「規則正しい生活を送って健康的な状態で仕事に来てほしい」
これは今でも実践している
松永さんの事務所で採用されたがデザインがうまくて採用したのではないと言われた
女性を対象とした募集で応募してきた姿勢と課題に対する真摯な姿勢を買われた
デザインがうまくなくてもチャンスはある
松永の事務所には3年半在籍
その頃はエディトリアルを中心として仕事をしていた
編集部から発注される受動的な仕事に退屈してきたので自分で企画から考えて編集部の方に持って行ったりした
そのころから仕事が楽しくなってきた
このとき学んだのはどんなちっちゃな仕事でも楽しい部分はあるのでそれをいかに見つけるかが重要
仕事に対して能動的な姿勢で取り組むのが大事

27才

広告の仕事がやりたくなったので滝工房に入る

30才

I&Sという広告代理店に入る

32才

毎日広告デザイン賞で最高賞を受賞
翌年も最高賞を受賞
自分の人生においてコンペは重要
ステーショナリーのコンペにて新村水産(実家)のアプリケーションで受賞し糸井重里に褒められた
自分の好きなものを作ったらそれを気に入ってくれる人がいるということを認識した
それをモチベーションにどんどん作品を作り始めた

35才

独立
銀座に事務所を構える

39才

ギリギリでJAGDA新人賞を取った
35才からずっと応募してた
審査員の同情もあったと思う
受賞した作品は山口漁連に持ち込みで作った作品だった

もし、自分の入りたくなかったところに就職してしまった場合もとりあえずそこでがんばってみることを勧める
ステップアップというのは必ずあるので実務の経験を積む方が重要

新村水産

・網の目を使って文字を書くシリーズ
父親が網を修理している風景を思い出したことがきっかけ
壊れた部分を違う色の糸で修復するのでその部分で文字が作れるんじゃないかと思った
深い海で小さいな網を使っておっきなエイを捕ってるように見えるが、実際は浅瀬で小さな網であらかじめ用意したエイを放して撮影した
ほんのちょっとした工夫で作品になるのでみんなも気兼ねなく挑戦してほしい
・新鮮勝負
おおきな人の口を背景に魚で泳いでいるビジュアル
実際は人の口の写真を沈めた水槽に生き物を放してる
・水滴
魚の新鮮味とおいそうなイメージを伝えたかったので水滴を選んだ
水滴で文字を作った
新鮮勝負の時もそうだがコンピューターを使ってるんですかってよく言われる
ガラスに水滴で文字を書いてその下に魚をおいてる
そのままだと見た目がおもしろくなかったのでガラスを3層にしてピントを真ん中のガラスに合わせている
思いついたアイデアそのままではなくちょっとした工夫を加えるのは大事
ただし複雑になりすぎるのでやり過ぎはよくない
・大量の舞
田舎に帰ったときに漁船に乗るのが楽しみ
その漁船の軌跡でSOSが書いてみようと思った
しかしSは技術的に無理といわれたのでOだけを書いて大量の舞とした
写真は合成なしで一発撮り
14台の漁船に走ってもらった
この短い間隔で船を走らせるのは技術的に大変らしい
好きで始めたこの仕事から飛躍し、佐藤工業の建設品質という島と島に橋を架けるCMを依頼された
学生の人の作品を見ても色々な小さな種を持ってる
それを大きくふくらませるかが重要
今はたくさん種をストックしておく
ふくらませるのは就職してからでもできるが種を見つけるのは今しかできない
最近アイデアを書き込んだメモ帳を電車の中でなくした
どこかから自分のアイデアを実現した作品がでてこないか心配
・漁師(〜で釣るシリーズ)
漁師と魚を一緒に撮れないかなぁというのが発端
カメラマンに相談したところモデルの前に水槽を用意すればできるということだった
モデルのおじさんがいい表情をしてるのは、本人が釣ってすぐに水槽に入れそれを見ているので自然とそういう表情が出てきたのではないかと思う

無印良品のキャンプ場

無印良品は田中一光の仕事だったが自然が好きなやつということで抜擢された
自分のライフワーク
この頃からコンプレックスだった島出身が自分の武器になり始めた
・昆虫が整列してるポスター
昆虫は昆虫を作る作家がいたのでその人に頼んだ
この当時無印良品の経営が危ぶまれる状況で海外から支援を受けることになったが、その時に見せた広告の一つとして評価された
大げさだと思うが、後に社長からこの一枚に救われたと言われた
これが今の自信につながってる
・口が葉っぱのキャラクターがならんだビジュアル
別の案件で何度かボツになっていた
実現していないアイデアを抱えていると誰かに先にやられないか不安になる
なので自社の名刺に使った
それを見せたら担当者に気に入ってもらえ、ポスターに採用された
このキャラクターが時計にもなった
・盆栽が整列したビジュアル
あるとき気に入った盆栽を買った
この木の写真を一年間撮り続けた
撮っているときはただ撮りたくて撮っていただけで何かにしようとはそこまで考えてなかった
担当者が盆栽に詳しくて、木が紅葉していく部分を評価していた
東京では寒さが足らず普通は紅葉しにくい
実は冷蔵庫などに入れるなどして強引に紅葉させていた
・葉拓シリーズ
魚拓と同じ方法で葉で拓を取った
作り方はまず押し花の要領で葉っぱを平らにする
湿らせた和紙で挟み、インクがのりやすくする

資生堂ZEN

世界同時発売
日本の禅をモチーフにしてほしいという依頼
ラフを作る段階では商品ができていなかった
ロゴも決まっていない
何度もやり直しをさせられ最終的に200案ぐらい提出した
モデルは黒人でCDのOKが出ていたが、社長が白人の方がいいと言ったためPhotoshop上で白人にして顔をすげ替えた
ハイクラスのフォトグラファーは拘束料として時間単位でギャラを請求される為自分たちで撮影しにいった
はじめはお辞儀をしている姿勢で考えていたがカメラマンの勘違いで頭を上げている状態で撮影してしまったが結果的には頭を上げている方がよかった

野生時代(角川書店)

新創刊する際のロゴマークの依頼
今はこのロゴは使われていない
依頼されたわけではないが毎号ポスターを作っていた
文芸誌なので文字を主体にして制作してみた
お願いしてみたら制作費は出なかったが店頭に掲載してもらえた
・そろばんの弾
そろばんの弾で合成加工なしで実際に作って一発撮りしている
・ポストイット
仕事の合間にちょっとずつ進めた
その他にも刺繍や風船、発泡スチロールでも作ってる
・和紙
和紙にプリンタで文字を印刷して5枚重ねている
文字の順番に上から重ねている
普通に和紙を重ねただけではほとんど透けないので和紙を湿らせて透過させている

水中文字

温暖化することで水面が上がっていき、読めるはずの文字が読めなくなる
アイデアの元になったのは港にある水面の高さを計る棒
そこに書かれている数字を文字にすればおもしろいんじゃないかと思った
文字は黒ケントを切ったもの
実際はあまり沈まないので文字の位置を調節するようなことにコンピューターを使っている

最後に

あまり考えすぎて複雑にならないように、素直に見ただけで理解できるようにした方がいいと思う
メッセージを伝えるものはデザインはシンプルな方がいいと思う

Q コンピューターを使う使わないの境界線はどこに引いているのか?

A 素材を作る段階では使わないようにしているが、その後の加工・編集の段階では使っている
道具としてコンピューターを使っている
仕事をする上ではPhotoshop、Illustratorは使いこなせる方が断然いい
たとえばイラストからコンピュータを使うと単調で冷たくなるので味気ない
一度コンピューターから出してもう一度入れるといいんじゃないかと思う

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